前回、鍼を打つときに、左手は「押し手」になって、打つ場所を固定させる役割がある事を書きました。
・・・しかし、『左手』には、もっと、重要な役割があるのです。
《左手の親指と人差し指の真下に「ツボ」があり、右手の鍼で そこを狙って刺していきます。》
さて、真下にある「ツボ」。
この、重要な場所をどうやって、見つけるか?
それが、『左手』です。
正確には、左手の『指先(主に人差し指)』です。
経穴(ツボ)といわれるものは、大まかな位置が決まっています。
例えば、肘の中央から、5寸下。 とか、踝(くるぶし)の上、3寸とかです。
そして、経穴の大きさは、それぞれ経穴によって違い、大きいものだと1センチ位のものもあります。
その1センチの範囲の中に、「ピタッ!」とくる僅かな箇所があるのです。 そこが、治療効果の高い「活きているツボ」です。
治療家によって、その反応はさまざまですが、私の場合は、左手の人差し指の指先で周囲を滑らせると、「ピタッ!」と止まる感じがします。
さらに、周囲8方向から 滑らす事によって、「鍼の刺す方向」・「刺す角度」・「刺す深さ」まで スキャンします。
スキャンした、ツボによって 患者さんが言わなかった体調まで推測できます。
「○○さん。 △△の疲れが出ていますね。 ☆☆しましたか?」
「え? 何で解るんですか?」
何故だかは、左手が知っている。